シェアハウスソーシャル・キャピタル調査レポート

入居者インタビュー
シェアラウンジ東横

※F、Gさんは共に女性です。(シェアラウンジ東横:詳細データ

年齢、職業、入居から現在までに経過した期間を教えてください。
F
年齢は29歳。職業は会社員で、取扱説明書を作る仕事です。入居して8カ月です。
G
年齢は22歳です。最初は販売だったのですが、今は介護職になりました。入居して11ヶ月です。
現在のシェアハウスへの入居前は、どのような暮らしをされていましたか?
F
私は大学を出てから、もう10年ぐらい1人暮らしでした。何カ所か引っ越したら、「もう1人暮らし飽きた」っていう感じで(笑)。シェアは初めてなんですけど。
G
ひつじ不動産に載っていた、7人のシェアハウスに住んでいました。その前は大学の4年間1人暮らしで、その前は実家です。
シェアハウスで暮らそうと考えたのは、なぜですか?
F
1人暮らしはだらしなくなるし、つまらないと思っていて。あと、東京は家賃が高いとも思うし。たまたまひつじさんのサイトの事を友達から聞いて、凄く面白そうだなって思っていたら、丁度ここがオープンするという事だったので。後は勢いで・・という感じです。
G
家がすごく可愛いくて、広かったので。それに東急東横線で職場も近くて、家賃も丁度良いくらいで。
シェアハウスでの他の入居者との交流について、入居前のイメージと実際に入居した後の印象はどう違いましたか?
F
海外のドラマとかで、よく出てくるじゃないですか。色々な人が住んでいて、料理したりパーティしたり・・と、いうイメージもありつつ、実際には4,5日会わないなんて“ざら”だよ、なんて言われたりとか。個人的には交流を期待していました。実際には、その中間くらいかな。ここでご飯の時間が一緒になると1,2時間一緒に話したりするんですけど、3,4日会わない事もありますし。自由と言うか、時と場合によりけりですね。だから、逆に息苦しさとかは特に無いですね。
G
入居前は、こういう暮らし方の事をあまり知らなかったんです。今はオムライスを一緒に食べたりしていますけど、全然違う世界に住んでいるので、凄く勉強になりますね。相手は料理も上手だし、色々な事を知っていて、人生経験が豊富だなって。
他の入居者との関係をどのように捉えていますか?
F
うーん、家族でも、友達でもないですよねぇ。“家族でもあるし、友達でもあるミックスした感じ”です。凄い疲れないですし楽なんですけど、そんなに常に仲良くしているわけでもないですし。
G
どういった存在かと言われると・・ええと、“おうちの人”ですね。
他の入居者との交流や関係で工夫している事、気を付けている事は、どんな事ですか?
F
彼女と同じベランダを共同で使うんですけど、洗濯物を一緒に干すと半々にならない事があったりして。それに結構みんな自炊するので、自炊のタイミング、例えば誰かが料理を作っていたら譲るとか、自分が食べている時に洗うとか。それにお風呂とか洗濯機とかも、上手くやらないと、とかですね。
G
前の物件に住んでいた時、凄いお風呂を取り合っていたんですよ。じゃんけんとかして、どっちが先に入るとか。でも、ここは3人だから大丈夫だし、全然心配する事が無いかな。あとはゴミ当番が結構大変で、朝起きるのは辛いです(笑)。
シェアハウスで暮らす事のプラス面、マイナス面って、何でしょうか?
F
プラスの面は、やっぱり話し相手がいるっていう事ですよね。職場でつらい事があったりして、落ち込んでここでお酒を飲んでたりする時もあるんですよ。そういう時にぷらっと来て話を聞いたりとかしていると、なんか人がいるっていいなあ、と。家に帰ってきた時に生活感があって、落ち着く感じも良いですね。実は、ここに引っ越すきっかけは職場が変わった事なんですけど、朝が凄く早くなったんですよ。でも、朝になると人の物音がするので、嫌でも起きられます(笑)。それから彼女がお弁当を作るので、感化されて負けじとお弁当を作るようになりましたね。デメリットは、やっぱり自分の生活のペースが少しでも乱されるのがダメな人は、シェアは無理っていうのはあるのかな。でも、1人暮らしをしていると他人のペースに合わせる事ができなくなる気がするので、やっぱり人に気を遣うとか、そういう事を学ぶって凄い大事だと思うんですよ。
G
プラスの面はやっぱり、寂しくない事ですかね。色々な人と会えるし、わざわざ遊びに行かなくても家で遊べる。それに掃除も頑張らなきゃって自発的に思えたり、他の人が頑張って料理しているのを見て、自分もやろうって思えたりしますよね。マイナスなのは、友達に家の話をすると「疲れないの?」って心配されたり、「えー!そんな事してるんだ。」みたいに変にびっくりされる事かな。でも、羨ましがられる事もあります。
シェアハウスで暮らし始めて、人間関係や他者への意識といった面で、何か変化はありましたか?
F
どうですかね、敢えて言うなら、閉じてる状態から開いてる状態にすぐ対応できるようになった、という事かな。1人暮らしで休みの日にずーっと家にいると、月曜に職場でなかなか扉が開かないんですよ。コミュニケーションてこんなだったかなあ、なんて思いながらコミュニケーション始める感じで。そこの違いですね。扉の開き方と言うのかな。あとは、話のネタが増えた。「今日、シェアの人が不思議なもの作ってて・・」とか、「料理を作って食べてもらったら、美味しかったらしい」とか(笑)。
G
色々な人がいるから、色々な人と出会える。そこがいいのかな。あと、たまに誰かと誰かが話とか喧嘩とかしてて、それに巻き込まれたりするのが結構面白いんじゃないですかね(笑)。

シェアハウスで暮らしていて、地域との関係や繋がりはどの程度ありますか?
F
隣の家の人は、すごく不思議がってると思うんですよ。やっぱりここは元々、普通の家族が住んでいた家だし、色々な人が住んでるのは不思議だろうなって。最近、隣の家に猫が一時期生まれて、ここまで時々来るんですよ。で、その猫と遊んでたら隣の人が「どうも」って。でも、そのくらいですかね。
G
そうですね。前に住んでいた人が紹介してくれた人が、実は近所に住んでる人らしくて。なんか一緒に遊ぼう、みたいな事はありました。
病気になった時、防犯面、生活していく上での安らぎといった、安心感という事とここでの暮らしについて、普段感じている事はありますか?
F
結構その・・誰かが鍵を閉め忘れる事があって、凄い私は気にしていたんですけど。必ずしも3人いるから安全かっていうと、ちょっと緩い人がいると危ないかなっていう気もします。ただ、夜中に地震があると、みんなリビングに降りてくるんですね。いざと言う時には協力し合えると言うか。病気になっても、何か買ってきて貰ったりとかできるかな。心配してくれる人がいる事は、有り難いです。そこが半分家族みたいな所だと感じてます。
G
この地域は治安が良いので、そんなに危ないなって感じはしないです。でも、みんなの家だから、「鍵をかけないで他の子の物が取られたらどうしよう」とか、「火事が起きたら皆の物も燃える」なんていう心配はします。だから、家を出る時はガスとか凄いきっちり閉めるんです。絶対に火事は起こさないぞ、みたいな。病気になった時も、まわりにうつしたら申し訳無いな、って思ったりしますし。でも、1人暮らしだったら疲れて倒れてても誰にも分からないけど、ここなら声を掛けて貰える。誰かに見ていてもらえる事は凄く安心感がありますね。
身体的な健康、精神的な健康、健康的な暮らしという意味合いを全て含めて、健康とシェアハウスでの暮らしについて普段感じている事はありますか?
F
やっぱり、規則正しくなりましたよね、生活が。実は結構宵っ張りで、夜中とか1人で遊びに行っちゃうんです。でも、私以外の人はちゃんと寝てちゃんと起きる人達で、私が朝に帰ってくると、彼女たちは出勤準備をしているんですね。彼女たちはこれから仕事をしに行く人で、私はこれから寝る人、というのがあると、健康的になろうって影響は受けますね。生活にメリハリがつきます。
精神的な面では、一緒に色々な話ができるのは良いかなって思います。最近は周りの1人暮らしをしている子が落ち込んでたりすると、シェアしてみたらって言うんですよ。大抵は絶対無理!なんて言われるんですけど(笑)、それは結構大きいと思うんですよ。こう言うと何ですけど、シェアしてる人って寂しがり屋が多いのかなって、ちょっと思ったりするんです。人がいないと落ち着かないとか。私は今回が初めてですけど、他の子は別の所でもシェア生活を経験してから来ているんです。で、そういう風にリピートするって言うのは、やっぱりそれを選んでるんですよね。普段1人暮らしで仕事に行っていると、本当に他の繋がりが無くなってしまうんですけど、家に繋がりがあれば、そこで繋がってる感じはするんですよね。
G
大学時代に1人暮らしをしていた時はダラダラ生活してたんですけど、ここに来たら他の入居者さんが走ろうって言ってくれて。一緒にかなり走っていたおかげで、だいぶ痩せられました。実は最近また太ってきたんですけど(笑)。あと、精神的には安心かな、やっぱり。
エコロジーとシェアハウスでの暮らしについて、普段感じている事はありますか?
F
省エネかどうかで言えば、多分省エネなんですよね。単純に、例えばテレビは3つじゃなくて1つで住んでしまうし。それに1人暮らしの時は、引っ越す度に色々捨てたりしていたんですけど、ここは置いたままですし。大きな物は多少壊れても簡単に換えられないから、そういうのは良いですよね。それに、ここはゴミ出しが当番制なので、誰か他の人に出してもらうわけじゃないですか。だから、適当な出し方ではなくて、ある程度綺麗に出そうとか。細かい事ですけど、意識が働くので良いと思います。あとは、あまり今までと変わらないですね。エコに対する意識は元々が結構高くて、環境を汚さない洗剤とか使ってるぐらいなので。
G
ずっと長く一緒にいるんだったらここら辺(リビング)の光熱費は凄い安くなる、と思いますね。あとはやっぱり、一緒にいる時間にはテレビとかも一緒に見れる。あとは暖房とか、洗濯機とか一個ずつでいいから、地球に優しいんですかね。
自分と価値観が違う人に対する意識や接し方や、多様な交流を持つという観点から、シェアハウスでの暮らしについて普段感じている事はありますか?
F
普段の友達って似たもの同士が集まるので、そういう中で当たり前だと思ってる事が、ここでは当たり前じゃないって分かるような事はありますね。やっぱりお互い自分が大事に思ってる事が違うと、そこって意見が合わない事もあるんですよ。そこで、こういう人もいるんだって思うか、「やっぱり私はこうなんだ」ってなるんだと思うんですけど、私はどっちかというと後者で。自分の価値観はこうだなって逆に確認するみたいになってるんです。だから、人と住む事で引きずられるとか、個性がちょっと変わるんじゃないかと思う人がいるかもしれないけど、そうとは限らないですね。他人は自分の鏡と言いますけど、人がいないと自分が見えないと言うか・・色々な人がいて、自分にはこういう個性があって、こういう事を大事にしてるんだとか、このこだわりは捨てられないんだといった事が、凄く見えて来るなと感じますね。
G
うーん。私は凄く違う世界の人と一緒になって、こんな生活もあるんだって思いましたね。

リビングには、休日、平日それぞれ何時間ぐらい滞在していますか?
F
リビングだと、2,3時間ですかね。他の物件はリビングにずっといるって聞いたりもするんですけど、そこまでではないですね。
G
友達とか呼んだら結構いるけど、呼ばなかったら3時間くらいかな。
全体的に、現在の暮らしが好きですか?
F
好きか嫌いかといえば、好きです。理由は・・頑張らなくても、自然体で生活できる。1人暮らしの人に言わせれば、1人暮らしの方が絶対自然体だって言われそうなんですけど、実はそうじゃないと思います。それが不思議な所です。それに、やっぱり広いっていう事は良いですよね。自分の部屋の広さは1人暮らしをしていた頃と、あまり変わってないんですよ。でも自分の部屋で行き詰ったら、リビングに来て息抜きが出来る。そういう風に空間の使い分けができるのはメリットだと思います。そういう基本的な環境が揃ってこそ、自然に生活できるっていう部分もあると思うんですよね。
G
好きです。理由は・・やっぱり家が本当に可愛いくて、凄く好きなんです。もう可愛いっていうだけで凄く好きで、結構帰って来てぼーっとしてる事もあるぐらい(笑)。テレビのスピーカーも良いから家で映画を見れるし、色々お土産を貰えたりとかするし(笑)。

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